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城陽市

あしあと

    所蔵資料紹介「お茶の通信販売」

    • ID:10939

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    はじめに

     当館の所蔵資料から、昭和初期のお茶の販売に関する資料を紹介します。

    お茶の通信販売

     城陽市域におけるお茶栽培の始まりはよくわかっていませんが、少なくとも17世紀中期には市域に茶園が存在し、19世紀半ばには市域のほぼ全域でお茶が栽培されていたと考えられます。

     明治時代後期になると、城陽市域においてもお茶の通信販売という方法を取り入れた茶商が現れてきました。当館には当時使われていたラベルや園報、顧客カード、ハガキ等多数の通信販売に関する資料が寄贈されています。城陽市域の各茶園では、季節ごとにそれぞれの園報を発行しており、カラー印刷でユニークなイラストや写真とともに、新茶販売開始、古茶値下げの告知や、お茶に関する読み物を掲載しています。注文ハガキや、お茶を購入するともらえる景品券を集めて交換できる景品の案内等から、昭和初期頃のお茶の通信販売の様子を知ることができます。

    ①摘翠園茶報 第183号

    摘翠園茶報 第183号


     城陽市奈島にある島本摘翠園が昭和8年(1933)5月1日付けで発行した園報。5月5日から新茶の売り出しを始めると予告しています。

    ②摘翠園茶報 第189号

    摘翠園茶報 第189号


     昭和9年(1934)5月1日付けで発行。「大走り」とは、新茶の中でも特別に早く生産されたもので、特に貴重なものとされてきました。

    ③常緑園報 第15巻第5号

    常緑園報 第15巻第5号


     城陽市富野にある中川常緑園が昭和10年(1935)7月28日付けで発行した園報。中元の売出しという見出しで、箱入りの組み合わせが「御進物用好適の毎年ご好評」とあります。ご注文に応じて「御婦人用割烹服」「御婦人用レース袖口」などの景品がつくことが掲載されています。

    ④常緑園報 第17巻第1号

    常緑園報 第17巻第1号


     昭和12年(1937)2月25日付け発行。「通販創立三十五年記念」と見出しがあります。常緑園がお茶の通信販売を始めたのは明治35年(1902)からで、地方部を設け、福引景品をつけるなどの工夫をして販路拡大を図りました。

    ⑤常緑園報 第18巻第3号

    常緑園報 第18巻第3号


      昭和13年(1938)6月15日付けで発行された園報。「山出し茶」とは、茶農家で生産されたそのままの茶葉を袋詰めしたものです。茎などが混じっていますが比較的安価に茶を楽しむことができました。

    ⑥常緑園報 第18巻第6号

    常緑園報 第18巻第6号


     昭和13年(1938)7月30日付け発行。中元の進物にお茶を送ろうという広告で、玉露の箱詰めで2円85銭と値段が記載されています。

    お茶のラベル

    お茶のラベル1
    お茶のラベル2
    お茶のラベル3

     昭和初期頃の茶筒や茶箱に貼るラベルです。昭和13年(1938)7月30日付け発行。中元の進物にお茶を送ろうという広告で、玉露の箱詰めで2円85銭と値段が記載されています。YAMASHIRO UJI TEA とローマ字表記もあり、お茶の通信販売が海外まで販路を拡大している様子がラベルからもうかがえます。