○城陽市東部丘陵地まちづくり条例
平成28年3月31日
条例第12号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 まちづくり計画(第8条)
第3章 開発事業等の手続等
第1節 大規模土地取引の届出等(第9条・第10条)
第2節 大規模開発事業の手続(第11条―第21条)
第3節 開発事業の手続(第22条―第29条)
第4節 開発事業の基準等(第30条―第35条)
第5節 開発事業の工事の着手等(第36条―第38条)
第6節 開発事業の紛争の調整等(第39条―第45条)
第4章 東部丘陵地整備委員会(第46条)
第5章 雑則(第47条―第55条)
第6章 罰則(第56条・第57条)
附則
城陽市域の東部に広がる約420ヘクタールの広大なエリアである東部丘陵地は、城陽市(以下「市」という。)の面積の約13パーセントを占めており、昭和35年(1960年)頃より開始された山砂利採取により、これまで近畿圏の砂利供給の中心を担い、その経済成長を支えてきた。
その反面、ダンプ車の多量の往来によるダンプ公害や著しい地形改変による自然環境、景観の荒廃等、市民生活や市のまちづくりに大きな影響を与えてきた。
そこで、市では平成14年度(2002年度)に城陽市砂利採取及び土砂等の採取又は土地の埋立て等に関する条例(平成14年城陽市条例第13号。以下「採取条例」という。)を制定し、山砂利採取の拡大防止及び採取跡地の早期利用の実現並びに土砂等の崩壊、流出等による災害の防止を図るとともに、良好な自然環境及び生活環境の保全に努めているところである。
今後、東部丘陵地においては、西日本と東日本をつなぐ国土軸として近畿圏と中部圏を直結する新名神高速道路が東西に貫く形で全線開通する予定であり、当該東部丘陵地は近畿圏のほぼ中央部に位置することから、交通の要衝として、京都府及び大阪府はもとより滋賀県、奈良県及び三重県をも商圏とする地理的優位性を活かしたまちづくりを進めていく必要がある。
これまで、山砂利採取が市民生活や市のまちづくりに与えてきた影響や、新名神高速道路を活かした広域交通の利便性を踏まえ、計画的な緑の再生に配慮しつつ、産業の活性化や雇用の創出等、市のみならず京都府南部地域の活性化に寄与し、かつ、市民等の安心・安全で豊かな生活に還元できる秩序あるまちづくりを進めるため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、東部丘陵地のまちづくりについて、その基本理念を定め、市、市民等及び開発事業者の責務を明らかにするとともに、開発事業の基準、手続等を定めることにより、当該基準に適合した開発事業を促し、もって市、市民等及び開発事業者が一体となって、市民等の安心・安全で豊かな生活に還元できる秩序あるまちづくりを進めることを目的とする。
(1) 東部丘陵地 都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「法」という。)第18条の2第1項の規定により定める城陽市都市計画マスタープラン(以下「都市計画マスタープラン」という。)における東部丘陵地域のうち、採取条例第5条の保全区域を除く地域をいう。
(2) 市民等 市内において、居住する者、事業を営む者、在勤する者、在学する者又は土地所有者等をいう。
(3) 土地所有者等 市内の土地若しくは建築物を所有する者又は市内の土地若しくは建築物について対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権を有する者をいう。
(4) 近隣関係住民 開発事業の周辺地域において、居住する者、事業を営む者又は土地所有者等で、市長が別に定める範囲のものをいう。
(5) 関係自治会 開発事業の周辺地域に居住する者により地縁に基づき形成された団体で、市長が別に定めるものをいう。
(6) 周辺住民 近隣関係住民の周辺地域において、居住する者、事業を営む者又は土地所有者等で、市長が別に定める範囲のものをいう。
(7) 近隣関係住民等 近隣関係住民、関係自治会又は周辺住民をいう。
(8) 開発事業 法第4条第12項の開発行為、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「基準法」という。)第2条第13号の建築(新築及び増築に限る。)、基準法第87条第1項の規定による建築物の用途の変更の行為、基準法第88条第1項及び第2項の工作物の建設その他規則で定めるものをいう。
(9) 大規模開発事業者 第11条第1項の大規模開発事業を行おうとする者又は行う者をいう。
(10) 開発事業者 大規模開発事業者又は第22条第1項の一般開発事業を行おうとする者若しくは行う者をいう。
(まちづくりの基本理念)
第3条 東部丘陵地のまちづくりは、市、市民等及び開発事業者の相互の信頼、理解及び協力の下に進めなければならない。
2 東部丘陵地のまちづくりは、公共の福祉を優先させるものとする土地基本法(平成元年法律第84号)の理念並びに環境への負荷の少ない循環型で持続可能な社会の実現及び発展を旨とする城陽市環境基本条例(平成13年城陽市条例第25号)の理念を踏まえ、総合的かつ計画的に行わなければならない。
(適用範囲)
第4条 この条例は、東部丘陵地において行う開発事業に対し適用する。
2 市は、市民等及び開発事業者に対しまちづくりに関する情報を提供するとともに、市民等の意見を聴き、市のまちづくりに市民等の意見が反映されるよう努めなければならない。
3 市は、基本理念にのっとり、開発事業者に対し、必要な指導及び助言を行わなければならない。
(市民等の責務)
第6条 市民等は、基本理念にのっとり、東部丘陵地のまちづくりに関する課題について関心を持ち、その解決に向けて主体的に活動するよう努めなければならない。
2 開発事業者は、市が実施するまちづくりに関する施策に協力しなければならない。
3 開発事業者は、開発事業に伴う紛争の予防及び解決に努めなければならない。
第2章 まちづくり計画
(まちづくり計画)
第8条 東部丘陵地におけるまちづくりの基本となる計画(以下「まちづくり計画」という。)は、次に掲げるものとする。
(1) 城陽市総合計画策定条例(平成27年城陽市条例第2号)第3条の規定により定める城陽市総合計画
(2) 都市計画マスタープラン
(3) 城陽市東部丘陵地整備計画
(4) 前3号に掲げるもののほか、市のまちづくりの基本となる計画等で規則で定めるもの
2 市、市民等及び開発事業者は、まちづくり計画を遵守しなければならない。
第3章 開発事業等の手続等
第1節 大規模土地取引の届出等
(大規模土地取引行為の届出)
第9条 法第7条第2項及び第3項の市街化区域又は市街化調整区域であって、東部丘陵地の土地について、市街化区域において面積2,000平方メートル以上又は市街化調整区域において面積5,000平方メートル以上の土地(一団の土地を含む。以下同じ。)に関する所有権、地上権若しくは賃借権又はこれらの権利の取得を目的とする権利の移転又は設定(対価を得て行われる移転又は設定に限る。)を行う契約(予約を含む。以下「大規模土地取引行為」という。)を締結しようとする土地所有者等は、当該大規模土地取引行為を締結しようとする日の6週間前までに、その内容を市長に届け出なければならない。ただし、市長がやむを得ない理由があると認める場合は、この限りでない。
(大規模土地取引行為に関する助言)
第10条 市長は、前条の規定による届出があったときは、当該届出を行った者に対し、当該届出があった大規模土地取引行為に関する助言を書面又は口頭により行うことができる。
第2節 大規模開発事業の手続
(大規模開発基本構想の届出等)
第12条 大規模開発事業者は、大規模開発事業に係る土地の利用に関する事項(以下「大規模開発基本構想」という。)を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による大規模開発基本構想の届出があったときは、速やかにその旨を公告し、当該公告の日から3週間縦覧に供しなければならない。
(大規模開発基本構想に関する説明会の開催)
第13条 大規模開発事業者は、前条第2項に規定する縦覧期間の終了後、近隣関係住民及び関係自治会を対象とする大規模開発基本構想に関する説明会を開催し、周知しなければならない。
2 大規模開発事業者は、前項の規定により説明会を開催しようとするときは、開催しようとする日の1週間前までに、近隣関係住民、関係自治会及び市長に対し、その旨を通知しなければならない。
3 大規模開発事業者は、第1項の規定により説明会を開催したときは、開催した日から1週間以内に説明会の内容を記載した書類を市長に提出しなければならない。
(大規模開発基本構想の変更の届出)
第16条 大規模開発事業者は、第12条第1項の規定により届け出た事項に変更が生じたときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(指導及び助言)
第17条 市長は、第12条第1項の規定による大規模開発基本構想の届出があった場合において、当該大規模開発基本構想がまちづくり計画に適合していないと認めるときは、書面又は口頭により当該大規模開発事業者に対し指導及び助言を行うことができる。
2 市長は、大規模開発事業者が正当な理由なくこの節に規定する手続の全部又は一部を行わないときは、当該大規模開発事業者に対し、書面により必要な措置を講じるよう勧告することができる。
2 市長は、大規模開発事業者が前条第2項の規定による勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(書類の閲覧)
第21条 市長は、次に掲げる書類について、何人からも閲覧の請求があったときは、閲覧させなければならない。
(1) 第12条第1項の規定による届出に係る書類
(3) 第15条の見解書
(4) 第16条第1項の規定による変更の届出に係る書類
(5) 第17条第1項の規定による指導及び助言に係る書類
第3節 開発事業の手続
(開発基本計画の届出等)
第23条 開発事業者は、開発事業に係る土地の利用に関する事項(以下「開発基本計画」という。)を市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による開発基本計画の届出があったときは、速やかにその旨を公告し、当該公告の日から3週間縦覧に供しなければならない。
(開発基本計画に関する標識の設置)
第24条 開発事業者は、前条第1項の規定による開発基本計画の届出を行った日から1週間以内に、開発基本計画に係る土地の区域内に当該開発基本計画に関する事項を表示する標識を設置しなければならない。
2 開発事業者は、前項の規定により標識を設置したときは、当該標識を設置した日から1週間以内にその旨を市長に届け出なければならない。
3 開発事業者は、第1項の標識に表示した事項に変更が生じたときは、当該標識の表示を変更するとともに、当該標識の表示を変更した日から1週間以内にその旨を市長に届け出なければならない。
(開発基本計画に関する説明会の開催)
第25条 開発事業者は、前条第1項の規定により標識を設置した後、近隣関係住民及び関係自治会を対象とする開発基本計画に関する説明会(一般開発事業にあっては、説明会又は個別の説明。以下同じ。)を開催し、周知しなければならない。
2 開発事業者は、前項の規定により説明会を開催しようとするときは、開催しようとする日の1週間前までに近隣関係住民、関係自治会及び市長に対し、その旨を通知しなければならない。
3 開発事業者は、第1項の規定により説明会を開催したときは、開催した日から1週間以内に説明会の内容を記載した書類を市長に提出しなければならない。
(開発基本計画の変更の届出)
第28条 開発事業者は、第23条第1項の規定により届け出た事項に変更が生じたときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
第4節 開発事業の基準等
(基準等)
第30条 開発事業者は、まちづくり計画及び規則で定める基準により、開発事業を行わなければならない。
2 前項に定めるもののほか、公共施設に関して、別に定める技術的指導基準により開発事業を行わなければならない。
(一の開発事業とみなす場合)
第31条 同時に又は引き続いて行う開発事業は、一の開発事業とみなす。
3 同時に行う複数の開発事業又は先行する開発事業に引き続いて行う開発事業とが次に掲げる全ての条件に該当するときは、第1項の規定は適用しない。
(1) それぞれの開発事業において、開発事業者の関連性が認められない開発事業であること。
(2) 一の開発事業において新たに設置された道路等の公共施設を利用することなく、それぞれの開発事業が成り立っていること。
(3) それぞれの開発事業において、独立して造成が行われる等工事に係る具体的な関連性がないこと。
(事前協議)
第32条 開発事業者は、第23条第1項の規定による開発基本計画の届出の前に、開発事業について市長と事前に協議を行い、当該協議を完了しなければならない。
(関係機関との協議)
第33条 開発事業者は、開発事業の区域内に電気工作物、ガス工作物、電気通信設備等を設置しようとするときは、関係機関と十分に協議を行わなければならない。
(協定の締結)
第34条 市長は、大規模開発事業に係る大規模開発基本構想においてまちづくり計画に適合した場合は、その内容等を記載した協定書を作成し、大規模開発事業者と協定を締結しなければならない。
2 開発事業者は、この条例に定めるもののほか、この条例による開発事業の手続を行う場合は、城陽市開発指導要綱(昭和50年城陽市告示第48号)の例によるものとする。
第5節 開発事業の工事の着手等
(工事の着手及び完了の届出)
第37条 開発事業者は、開発事業の工事に着手する前及び工事が完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(工事の完了検査等)
第38条 開発事業者は、前条の規定による完了の届出をした後、開発事業の工事の検査を受けなければならない。
4 開発事業者は、前項の規定による通知を受けたときは、是正しなければならない。
5 開発事業者は、前項の規定による是正を行ったときは、書面により、その旨を報告しなければならない。
第6節 開発事業の紛争の調整等
(あっせん)
第39条 市長は、開発事業に関して、近隣関係住民等と開発事業者(以下「紛争当事者」という。)が自主的な解決の努力を行っても紛争の解決に至らなかった場合において、双方から紛争の調整の申出があったときは、あっせんを行うことができる。
2 市長は、前項の場合において、紛争当事者の一方から紛争の調整の申出があり、当該申出に相当の理由があると認めるときは、あっせんを行うことができる。
(開発事業紛争調停委員会の設置)
第41条 市長の付託に応じ調停を行わせるため、城陽市開発事業紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)を置く。
2 調停委員会は、委員5人以内をもって組織する。
3 委員は、法律、建築、都市計画その他の知識経験を有する者のうちから市長が委嘱する。
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
5 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
7 前各項に定めるもののほか、調停委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(調停)
第42条 紛争当事者は、市長のあっせんによっても紛争の解決に至らなかったときは、調停を市長に申し出ることができる。
2 市長は、紛争当事者の双方から調停の申出があった場合において、必要があると認めるときは、調停委員会の調停に付することができる。
3 市長は、紛争当事者の一方から調停の申出があった場合において、相当の理由があると認めるときは、調停委員会の調停に付することができる。
5 調停委員会は、調停のため必要があると認めるときは、調停の案を作成し、紛争当事者に対し、期限を定めてその受諾を書面により勧告することができる。
(調停の打切り)
第43条 調停委員会は、調停に係る紛争について紛争当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
2 前条第5項の規定による勧告が行われた場合において、指定された期限までに紛争当事者の双方から受諾する旨の申出がなかったときは、当該紛争当事者間の調停は、打ち切られたものとみなす。
(調停の終了)
第44条 調停委員会は、調停が終了したときは、速やかにその結果を記載した報告書を市長に提出しなければならない。
(工事着手の延期の要請)
第45条 市長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、その理由を付して、開発事業者に対し、相当の期限を定めて開発事業に関する工事の着手の延期を要請することができる。
2 市長は、前項の規定による要請をする場合(あっせんの場合を除く。)において、必要があると認めるときは、あらかじめ調停委員会の意見を聴くことができる。
第4章 東部丘陵地整備委員会
(東部丘陵地整備委員会の設置)
第46条 東部丘陵地において秩序あるまちづくりの推進を図るため、城陽市東部丘陵地整備委員会(以下「東部丘陵整備委員会」という。)を置く。
2 東部丘陵整備委員会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査及び審議を行い、並びに意見具申する。
(1) 第10条の規定による助言に関すること。
(4) 第53条第1項の規定による是正命令に関すること。
(6) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項に関すること。
3 東部丘陵整備委員会は、委員15人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 東部丘陵地における土地所有者等
(3) 関係行政機関の職員
(4) 市職員
(5) その他市長が必要と認める者
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
5 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
6 委員は、職務上知り得た情報を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。
7 前各項までに定めるもののほか、東部丘陵整備委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
(適用除外)
第47条 次に掲げる開発事業については、第3章の規定は、適用しない。
(1) 法第4条第5項の都市施設に関する都市計画が定められた場合における当該都市施設の区域内において、当該都市計画に適合して行う開発事業
(2) 法第4条第7項の市街地開発事業に関する都市計画が定められた場合における当該市街地開発事業の施行区域内において、当該都市計画に適合して行う開発事業
(3) 国又は地方公共団体その他の公共団体若しくは公社が行う開発事業又は公共性のある事業で市長と協議の整った開発事業
(4) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第3条の規定により登録を受けている砂利採取業者の事業において、当該事業に供することを目的とする開発事業で市長と協議の整ったもの。ただし、国又は地方公共団体その他の公共団体若しくは公社が行う道路整備事業又は公共性のある事業に支障のあるものは除く。
(5) 専ら自己の居住の用に供することが明らかな住宅の建築行為を目的とする開発事業。ただし、共同住宅の建築の行為を除く。
(6) 基準法第85条第1項又は第2項の応急仮設建築物及び同項又は同条第5項の仮設建築物の建築を行う開発事業
(7) 非常災害のために必要な応急措置として行う開発事業
(8) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で市長が認めたもの
3 前2項の規定により地位を承継する者は、その旨を市長に届け出なければならない。
(開発事業の廃止)
第49条 開発事業者は、開発事業を廃止しようとするときは、市長に届け出なければならない。
2 開発事業者は、前項の規定による届出をしたときは、近隣関係住民等に周知しなければならない。
(報告書等の徴収)
第50条 市長は、この条例の施行のために必要な限度において、開発事業者に対し、開発事業の工事の状況その他必要な事項(以下「工事の状況等」という。)について報告書又は資料の提出を求めることができる。
(立入検査)
第51条 市長は、この条例の施行のために必要な限度において、職員を開発事業区域内に立ち入らせ、開発事業の工事の状況等を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(工事の停止、中止等の勧告)
第52条 市長は、開発事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該開発事業者に対し、工事を停止し、若しくは中止し、又は相当の期間を定めて違反を是正するために必要な措置を講ずることを書面により勧告することができる。
(3) 第36条の規定による開発事業の工事の着手制限に違反して工事に着手したとき。
(是正命令)
第53条 市長は、前条の規定による勧告を受けた開発事業者が当該勧告に従わない場合は、その当該開発事業者に対し、工事の停止若しくは中止を命じ、又は相当の期間を定めて違反を是正するために必要な措置を講ずることを書面により命じることができる。
2 市長は、前項の規定による命令をしようとする場合は、当該命令をする開発事業者に対し、事前に出頭を求め、意見の聴取を行わなければならない。ただし、当該開発事業者が正当な理由なく意見の聴取に応じないとき又は緊急やむを得ないときは、この限りでない。
(公表)
第54条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、開発事業者の氏名、住所(法人にあっては、その名称、法人番号、代表者の氏名及び事務所の所在地)及び違反の事実を公表することができる。
(1) 第50条の規定による報告書又は資料の提出の要求に対し、正当な理由なくこれに応じず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出を行ったとき。
(2) 第51条第1項の規定による立入り又は検査を正当な理由なく拒み、妨げ、又は忌避したとき。
(3) 前条第1項の規定による是正命令に従わないとき。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとする場合は、公表の対象となる開発事業者に対し事前に公表を行う理由を通知し、当該開発事業者が意見を述べ、又は有利な証拠を提示する機会を与えなければならない。
(その他)
第55条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
第6章 罰則
(過料)
第56条 第53条第1項の規定による是正命令に違反した者は、50,000円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成28年(2016年)4月1日から施行する。