○城陽市パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の取扱いに関する要綱
令和7年6月2日
告示第56号
(趣旨)
第1条 この要綱は、一人一人の人権が尊重され、多様な生き方及び考え方を認め合う社会の実現を目指し、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。
(1) パートナーシップ 互いを人生のパートナーとして日常の生活において協力し合うことを約した、一方又は双方が性的少数者である2人の継続的な関係をいう。
(2) ファミリーシップ パートナーシップにある者がその子(養子を含む。以下同じ。)又は親(その配偶者及び養親を含む。)(以下「子等」という。)を含めた家族として相互に協力し合うことを約した継続的な関係をいう。
(3) パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓 市長に対し、パートナーシップにある双方が、互いのパートナーであることを誓うこと又は互いのパートナーであること及び子等を含めた家族として相互に協力することを誓うこと(以下「ファミリーシップの宣誓」という。)をいう。
(4) パートナーシップ・ファミリーシップの申告 パートナーシップ制度自治体間連携ネットワークを構成する自治体(以下「連携自治体」という。)から第7条第1項に規定する受領証等に類する書類(以下「受領証等類似書類」という。)の交付を受けた2人が当該連携自治体から本市の区域内へ住所を変更する場合に、受領証等類似書類の交付を受けたこと及びパートナーシップ又はファミリーシップにあることを市長に対して申し出ることをいう。
(パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓又はパートナーシップ・ファミリーシップの申告の要件)
第3条 パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓又はパートナーシップ・ファミリーシップの申告をすることができる者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
(1) 民法(明治29年法律第89号)第4条に規定する成年に達していること。
(2) 一方又は双方が、現に本市の区域内に住所を有していること。
(3) 双方が現に婚姻をしておらず、かつ、本市において共に宣誓をしようとするパートナー又は連携自治体においてパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓その他これに類する行為(以下「パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓等」という。)をしたパートナー以外に事実上婚姻関係と同様の事情にある者又はパートナーシップにある者がいないこと。
(4) 民法第734条から第736条までに規定する婚姻をすることができない続柄の関係(パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしようとする双方又は連携自治体においてパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓等をした双方が養子縁組をしている、又はしていたことにより当該関係に該当する場合を除く。)にないこと。
2 ファミリーシップの宣誓の対象となる子等は、ファミリーシップの宣誓又はパートナーシップ・ファミリーシップの申告をしようとする者と生計を一にする子等とする。
(パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の方法)
第4条 パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしようとする者は、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓を行う日を予約の上、パートナーシップにある2人が市職員の立会いの下で別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書(以下「宣誓書」という。)に署名し、次に掲げる書類を添えて市長に提出するものとする。
(1) 住民票の写し又は住民票記載事項証明書(続柄を記載したもので、3月以内に発行されたものに限る。)
(2) 戸籍の謄本又は全部事項証明書、独身であることを証明する書類その他婚姻をしていないことを証明する書類(3月以内に発行されたものに限る。)
(3) 前2号に掲げる書類のほか、市長が必要と認める書類
2 ファミリーシップの宣誓をしようとする者は、前項各号に掲げる書類に加えて、次に掲げる書類を提出するものとする。
(1) ファミリーシップの宣誓をしようとする者の子等であることを証明する書類
(2) ファミリーシップの宣誓をしようとする者と子等とが生計を一にすることが分かる書類
(3) 子等が署名した同意書(子等が15歳以上である場合に限る。)
(4) 前3号に掲げる書類のほか、市長が必要と認める書類
3 市長は、前2項の規定にかかわらず、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしようとする者の一方若しくは双方又は15歳以上の子等が署名することができないと認めるときは、本人の意思を確認した上で代筆を認めることができる。
4 市長は、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしようとする者が本人であることを確認するため、次の各号に掲げるいずれかの書類の提示を求めるものとする。
(1) 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)に規定する個人番号カード(以下「個人番号カード」という。)
(2) 旅券
(3) 運転免許証
(4) 前3号に掲げるもののほか、官公署が発行した免許証、許可証又は資格証明書であって、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしようとする本人の顔写真が添付されたものその他市長が必要と認める書類
(パートナーシップ・ファミリーシップの申告の方法)
第5条 パートナーシップ・ファミリーシップの申告をしようとする者は、別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓継続申告書(以下「申告書」という。)に、次に掲げる書類を添えて、市長に提出するものとする。
(1) 連携自治体から交付を受けた受領証等類似書類
(2) 住民票の写し又は住民票記載事項証明書(3月以内に発行されたものに限る。)
3 パートナーシップ・ファミリーシップの申告をした者は、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をしたものとみなす。
(通称名の使用)
第6条 パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓又はパートナーシップ・ファミリーシップの申告をしようとする者で、自己の身体の性別に違和感を持つものその他市長が特に理由があると認めるものは、宣誓書又は申告書において、氏名と併せて日常生活において使用している氏名(以下「通称名」という。)を使用することができる。
2 前項の規定により通称名を使用しようとする者は、日常生活において当該通称名を使用していることを確認することができる書類をパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓又はパートナーシップ・ファミリーシップの申告の時に提示するものとする。ただし、郵送によるパートナーシップ・ファミリーシップの申告については、当該書類の写しを提出するものとする。
(受領証等の再交付)
第8条 宣誓者は、受領証等の紛失、毀損、汚損その他の事情により再交付を受けようとする場合は、別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等再交付申請書(以下「再交付申請書」という。)により、受領証等の再交付を申請することができる。この場合において、毀損又は汚損により受領証等の再交付を申請するときは、再交付申請書に受領証等を添付しなければならない。
(パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の内容の変更)
第9条 宣誓者は、宣誓書又は申告書に記載した内容に変更が生じた場合は、速やかに別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等記載事項変更届(以下「変更届」という。)に受領証等及び変更の内容を確認することができる書類を添えて市長に提出するものとする。ただし、紛失その他やむを得ない理由があるときは、受領証等の提出を要しない。
5 市長は、変更届の提出を受け、受領証等の記載事項を変更したときは、変更後の受領証等を交付するものとする。
(受領証等の返還)
第10条 宣誓者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等返還届(以下「返還届」という。)に、受領証等を添えて市長に提出しなければならない。ただし、紛失その他やむを得ない理由があるときは、受領証等の返還を要しない。
(1) 宣誓者の意思によりパートナーシップ又はファミリーシップが解消された場合
(2) 宣誓者の一方が死亡した場合
(3) 宣誓者の双方が本市の区域内に住所を有しなくなった場合
3 第1項の規定にかかわらず、宣誓者が連携自治体へ転出し、当該連携自治体の長に対して本市で受領証等の交付を受けたこと及びパートナーシップ又はファミリーシップにあることを申し出た場合は、受領証等が市長に返還されたものとみなす。
6 市長は、第1項の規定により返還届を提出した者に、別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等返還事実証明書(以下「事実証明書」という。)を交付することができる。
7 ファミリーシップの宣誓の対象である子等(以下「ファミリーシップ対象者」という。)は、宣誓者の双方が死亡した場合において、その事実を証明する書類及び返還届を市長に提出したときは、事実証明書の交付を受けることができる。
(1) パートナーの子等(民法第4条に規定する成年に達していない場合には、親権を行う者又は未成年後見人)の同意があること。
(2) 宣誓者とパートナーの子等とが生計を一にすること。
(受領証等の失効)
第12条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、受領証等を失効させることができる。
(1) 宣誓者にパートナーシップ又はファミリーシップを形成する意思がない場合
(2) 偽りその他不正の手段により受領証等の交付を受けた場合
(3) 受領証等を改ざんし、又は不正に使用した場合
2 市長は、前項の規定により受領証等を失効させた場合は、当該受領証等に係るパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓に関する記載を登録簿から抹消し、宣誓者に受領証等の返還を求めるものとする。
(子等の氏名の削除)
第13条 ファミリーシップ対象者及び第11条の規定により継続するファミリーシップの宣誓の対象である子等(以下「ファミリーシップ継続対象者」という。)は、別に定めるパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓に関する申立書(以下「申立書」という。)を市長に提出することにより、受領証等からの自らの氏名の削除を申し立てることができる。ただし、ファミリーシップ対象者又はファミリーシップ継続対象者が15歳未満の子である場合には、その子が15歳に達するまでの間は、当該申立てをすることができない。
2 市長は、前項の規定によりファミリーシップ対象者から申立書の提出があった場合には、その内容を審査し、内容が適当と認められるときは、申立てをした者の氏名を削除した受領証等を宣誓者に交付する。
3 第11条の規定により継続するファミリーシップの宣誓の対象である子の親権を行う者又は未成年後見人は、申立書に当該子との関係を証する書類を添えて市長に提出することにより、受領証等からの当該子の氏名の削除を申し立てることができる。
(プライバシーへの配慮)
第14条 市長は、市の施策の推進に当たっては、この要綱の趣旨を尊重するとともに、パートナーシップ又はファミリーシップにある者のプライバシーに十分配慮するものとする。
(宣誓書等の保存期間)
第15条 市長は、宣誓者のパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓が継続している限り、宣誓書等を保存するものとする。
(委任)
第16条 この要綱に定めるもののほか、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この要綱は、令和7年(2025年)8月1日から施行する。