ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

城陽市

あしあと

    上下水道事業の包括的民間委託について

    • ID:10396

     城陽市の上下水道事業は、下の3つの課題により、将来にわたって安定して給水などをしていくことが難しくなってきています。

     上下水道というみなさんの生活に直結するインフラを守るために、国の進める包括的民間委託の枠組みに沿って、「安全に」「安心して」「長くつづけられる」ことを最優先に取組みを進めます。


    1 城陽市上下水道事業における3つの課題と対応

    (課題 1) 浄水場などを管理している会社の解散

     浄水場などを管理している会社が令和7年度末で解散するため、品質を確保した上で後継となる会社を確保する必要があります。

    (課題 2) 技術者の不足

     技術職の人材が全国的に不足している中、地方自治体よりも好待遇な民間会社へ技術者が集中しており、上下水道事業を担う技術を持つ職員の採用が非常に困難な状況です。

    (課題 3)国からの補助金の確保

     包括的民間委託(ウォーターPPP。ウォーターPPPの詳しくは「4コラム(1)ウォーターPPPについて」をご覧ください)は国が推進している運営方法であり、一部の補助金は包括的民間委託を行うことが、今後補助金を受けるための条件になります。補助金の確保はみなさんに負担していただく料金の軽減に直結します。

    まとめ

     課題の解決のためには、浄水場などを高品質に管理できる技術者が多く在籍している会社を確保するとともに、国から上下水道施設の耐震化などの補助金を受けるための条件を満たす包括的民間委託への移行が必要です。

    2 包括的民間委託について

     城陽市が移行を必要とする包括的民間委託とは、直営で実施している業務のうち委託可能な窓口などの業務や既に業務ごとに別々の会社に委託している業務を、国が推進する枠組みに沿った形で1つの会社にまとめて委託するもので、令和8年度からの移行を目指しています。

     城陽市の現在の業務イメージと包括的民間委託後の業務イメージは下図のとおりです。包括的民間委託への移行後も、料金設定や施設の整備方針の決定・実施など、上下水道事業の根幹となる部分は引き続き城陽市が行います。

    包括的民間委託導入前後の業務移行イメージ

    包括的民間委託への疑問と解説

    水道事業などの経営が民間会社に委ねられるの?

     包括的民間委託により、「民間会社が勝手に値上げする」、「民間会社が浄水場などを廃止する」、「地元事業者が仕事を失う」、「自己水源が廃止される」などの声がありますが、上下水道事業の根幹となる部分は引き続き城陽市が担いますので、水道事業などの経営が民間会社に委ねられることはありません。

    城陽市から上下水道の技術がなくなるの?

     包括的民間委託により、「城陽市が持つ技術がなくなる」との声がありますが、全国的な技術者の不足により、城陽市では事業継続に必要な技術者の人数を確保できないため、包括的民間委託の中で民間会社が技術継承できる枠組みを確保し、城陽市はその内容を的確に管理・監督していく体制(モニタリング体制)を構築していきます。

    3 費用について

     包括的民間委託後の委託経費について、公益社団法人日本水道協会が策定した、水道施設維持管理業務委託積算要領等を参考に算出しました。

     10年間の委託経費合計で約43億円(税抜)を見込んでいます

    4 コラム

    (1)ウォーターPPPについて

     ウォーターPPPは難しい言葉に聞こえますが、簡単に言えば上下水道分野の新しい官民連携の形です。官民連携とは、英語ではPPP(Public(官) private(民) partnership(連携))と略されますので、直訳すると「上下水道分野の行政と民間の係わり合い」となります。
     では、行政においてどういった部分で「上下水道分野の行政と民間の係わり合い」がなされているかというと、通常の業務委託は広い意味で全て官民連携ということになります。例えば城陽市の水道事業でいえば、ポンプやモーター、蓄電池などの分解整備や水質検査等を業務委託という形で発注していますが、これも一つの官民連携のひとつの形です。
     今回、城陽市の上下水道事業で実施を目指しているのは包括的民間委託ですが、京都府南部でも複数の自治体で、部分的ではありますがすでに実施されています。例えば、水道事業の窓口業務と水道メーターの検針業務を合わせた業務委託といったものです。
     この委託の対象などが広くなると、国の定義する包括的民間委託のレベルも高いものとなります。包括的民間委託のレベルで最も高いのはレベル4とされており、水道事業での導入事例は全国で1例にとどまっています。このレベル4は制限付きですが、運営権を民間企業に移譲する点で行政の関与が最も小さくなる形態となります。
     一方で、通常の包括的民間委託に、下の図にある4要件を加えたものがレベル3.5であり、レベル3.5は更新実施型と更新支援型に分かれます。

     城陽市では運営権を市に残すとともに、施設の更新も直営で実施する方針であり、日々の維持管理を通じて蓄積したデータを更新計画案の作成などに活用する、ウォーターPPPレベル3.5の更新支援型を目指しています。

     この包括的民間委託レベル4とレベル3.5の総称を国は「ウォーターPPP」と呼んでいます。

    まとめ
    • 官民連携は既に様々な形ですでに行政に取り入れられている
    • これらの委託契約をまとめたものが「包括的民間委託」である
    • 「包括的民間委託」にはその委託する範囲の広さに応じてレベルが設定される
    • そのレベル4とレベル3.5の総称が「ウォーターPPP」である

     「ウォーターPPP」という言葉自体は新たに国が打ち出したものですが、その根幹となる業務委託はこれまでから個別に契約されてきたものです。そしてこれらをまとめたうえで、4つの要件を加えたものが「ウォーターPPPレベル3.5」と新たに分類されたにすぎません。

    ウォーターPPP レベル4とレベル3.5の比較

    【レベル3.5の条件】
    1.長期契約…契約は10年間を原則とする
    2.性能発注…発注者が要求した品質やコスト、期間で実現できるよう委託対象の形状や具体的な機器、材料までは決めず、対象がどのような能力を発揮すべきであるかという「性能」から条件を設定する
    3.維持管理と更新の一体マネジメント…通常の収益的支出だけでなく資本的支出にも業者が関わる
    4.プロフィットシェア…契約時に見積もった維持管理費が、企業努力や新技術導入等で縮減した場合、縮減分を官民でシェアする

    (2)「民営化」と「包括的民間委託」について

     民営化というと、株式会社化して企業の競争原理を働かせ、企業として利益の追求をするというイメージを持たれるかと思います。昔にあった国鉄や専売公社、電電公社がそれぞれJR、JT、NTTという形で民営化されたイメージでしょうか。
     ですが、この度城陽市が上下水道事業において目指しているのは、「包括的民間委託」であり、決して「民営化」といったものではありません。
     「民営化」となると保有する資産を企業に移し、運営権まで企業が有することになります。そして行政はその売却益を得るということになりますが、包括的民間委託では資産の譲渡や運営権の移譲は行われません。
     あくまで、「これまでから個別委託していた業務」を「まとめて」、「国が令和5年度に新たに示した枠組み」のもと、委託契約を締結するものです。
     加えて言えば、城陽市ではこの度導入しませんが、「包括的民間委託レベル4」においても、法の規定により、その資産は行政に残されたままですし、水道事業の最終的な責任は城陽市が担うことに変わりはありませんので、「民営化」の定義にあたりません。また、運営権についても議会の関与がありますので、民間企業の影響範囲は非常に制限されたものとなっています。

    お問い合わせ

    城陽市役所上下水道部経営管理課庶務係

    電話: 0774-52-2044(市外局番違いによるかけ間違いが多発しています。ご注意ください)

    ファックス: 0774-55-0771

    電話番号のかけ間違いにご注意ください!

    お問い合わせフォーム