○道路法に基づく市道の構造の基準に関する条例

平成24年12月28日

条例第25号

(趣旨)

第1条 この条例は、道路法(昭和27年法律第180号)第30条第3項の規定により、市が管理する市道(以下「市道」という。)を新設し、又は改築する場合における市道の構造の一般的技術的基準を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例で使用する用語の意義は、道路構造令(昭和45年政令第320号。以下「令」という。)で使用する用語の例によるもののほか、次項に定めるところによる。

2 この条例において「有効幅員」とは、歩道及び自転車歩行者道の幅員から、横断歩道橋若しくは地下横断歩道(以下「横断歩道橋等」という。)、縁石又は路上施設を設置するために必要な幅員を除いた幅員をいう。

(車線等)

第3条 車道(副道、停車帯その他令第5条第1項の国土交通省令で定める部分を除く。)は、車線により構成されるものとする。ただし、第3種第5級又は第4種第4級の道路にあっては、この限りでない。

2 車線の数及び車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。)の幅員の基準は、規則で定める。

(車線の分離等)

第4条 車線の数が4以上である道路(対向車線を設けない道路を除く。以下この条において同じ。)の車線は、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、往復の方向別に分離するものとする。

2 車線を往復の方向別に分離するため必要があるときは、中央帯を設けるものとする。

3 中央帯の幅員の基準は、規則で定める。

4 中央帯には、側帯を設けるものとする。

5 前項の側帯の幅員の基準は、規則で定める。

6 中央帯のうち側帯以外の部分(以下「分離帯」という。)には、柵その他これに類する工作物を設け、又は側帯に接続して縁石線を設けるものとする。

7 分離帯に路上施設を設ける場合においては、当該中央帯の幅員は、令第12条の建築限界を勘案して定めるものとする。

(副道)

第5条 車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。)の数が4以上である第3種又は第4種の道路には、必要に応じ、副道を設けるものとする。

2 副道の幅員の基準は、規則で定める。

(路肩)

第6条 道路には、車道に接続して、路肩を設けるものとする。ただし、中央帯又は停車帯を設ける場合においては、この限りでない。

2 道路に自転車道を設けない場合においては、車道の左側に設ける路肩の幅員は、交通及び地形の状況等を勘案し、自転車の通行に配慮して定めるものとする。

3 前項に定めるもののほか、路肩の幅員の基準は、規則で定める。

4 歩道、自転車道又は自転車歩行者道を設ける道路にあっては、道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために支障がない場合においては、第1項の規定にかかわらず、車道に接続する路肩を設けないことができる。

5 道路の主要構造部を保護するため必要がある場合においては、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して、路端寄りに路肩を設けるものとする。

(停車帯)

第7条 第4種(第4級を除く。)の道路には、自動車の停車により車両の安全かつ円滑な通行が妨げられないようにするため必要がある場合においては、車道の左端寄りに停車帯を設けるものとする。

2 停車帯の幅員の基準は、規則で定める。

(自転車道)

第8条 自動車及び自転車の交通量が多い第3種又は第4種の道路には、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

2 自転車の交通量が多い第3種若しくは第4種の道路又は自動車及び歩行者の交通量が多い第3種若しくは第4種の道路(前項に規定する道路を除く。)には、安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合においては、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

3 自転車道に路上施設を設ける場合においては、当該自転車道の幅員は、令第12条の建築限界を勘案して定めるものとする。

4 自転車道の幅員は、当該道路の自転車の交通の状況を考慮して定めるものとする。

5 前2項に定めるもののほか、自転車道の幅員の基準は、規則で定める。

(自転車歩行者道)

第9条 自動車の交通量が多い第3種又は第4種の道路(自転車道を設ける道路を除く。)には、自転車歩行者道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

2 自転車歩行者道の幅員は、その有効幅員が歩行者の交通量が多い道路にあっては4メートル以上、その他の道路にあっては3メートル以上となるようにする。

3 自転車歩行者道の幅員は、当該道路の自転車及び歩行者の交通の状況を考慮して定めるものとする。

(歩道)

第10条 第4種(第4級を除く。)の道路(自転車歩行者道を設ける道路を除く。)、歩行者の交通量が多い第3種(第5級を除く。)の道路(自転車歩行者道を設ける道路を除く。)又は自転車道を設ける第3種若しくは第4種第4級の道路には、その各側に歩道を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

2 第3種又は第4種第4級の道路(自転車歩行者道を設ける道路及び前項に規定する道路を除く。)には、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、歩道を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

3 歩道の幅員は、その有効幅員が歩行者の交通量が多い道路にあっては3.5メートル以上、その他の道路にあっては2メートル以上となるようにする。ただし、歩行者の交通量が特に少ない区間において、柵の設置等歩行者の安全のために必要な措置を講じる場合においては、この限りでない。

4 歩道の幅員は、当該道路の歩行者の交通の状況を考慮して定めるものとする。

(歩行者の滞留の用に供する部分)

第11条 歩道、自転車歩行者道、自転車歩行者専用道路又は歩行者専用道路には、横断歩道、乗合自動車停車所等に係る歩行者の滞留により歩行者又は自転車の安全かつ円滑な通行が妨げられないようにするため必要がある場合においては、主として歩行者の滞留の用に供する部分を設けるものとする。

(植樹帯)

第12条 第4種第1級及び第2級の道路には、植樹帯を設けるものとし、その他の道路には、必要に応じ、植樹帯を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

2 植樹帯の幅員の基準は、規則で定める。

3 植樹帯の植栽に当たっては、地域の特性等を考慮して、樹種の選定、樹木の配置等を適切に行うものとする。

(設計速度)

第13条 道路の設計速度の基準は、規則で定める。

(車道の屈曲部)

第14条 車道の屈曲部は、曲線形とするものとする。ただし、緩和区間(車両の走行を円滑にするために車道の屈曲部に設けられる一定の区間をいう。以下同じ。)又は第32条の規定により設けられる屈曲部については、この限りでない。

(曲線半径)

第15条 車道の屈曲部のうち緩和区間を除いた部分(以下「車道の曲線部」という。)の中心線の曲線半径(以下「曲線半径」という。)の基準は、規則で定める。

(曲線部の片勾配)

第16条 車道、中央帯(分離帯を除く。)及び車道に接続する路肩の曲線部には、曲線半径が極めて大きい場合を除き、当該道路の設計速度、曲線半径、地形の状況等を勘案し、規則で定める値の片勾配を付するものとする。ただし、第4種の道路にあっては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、片勾配を付さないことができる。

(曲線部の車線等の拡幅)

第17条 車道の曲線部においては、設計車両及び当該曲線部の曲線半径に応じ、車線(車線を有しない道路にあっては、車道)を適切に拡幅するものとする。ただし、第4種の道路にあっては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

(緩和区間)

第18条 車道の屈曲部には、緩和区間を設けるものとする。ただし、第4種の道路の車道の屈曲部にあっては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

2 車道の曲線部において片勾配を付し、又は拡幅をする場合においては、緩和区間においてすり付けをするものとする。

3 緩和区間の長さの基準は、規則で定める。

(視距等)

第19条 視距の基準は、規則で定める。

2 車線の数が2である道路(対向車線を設けない道路を除く。)においては、必要に応じ、自動車が追越しを行うのに十分な見通しの確保された区間を設けるものとする。

(縦断勾配)

第20条 車道の縦断勾配の基準は、規則で定める。

(登坂車線)

第21条 普通道路の縦断勾配が5パーセントを超える車道には、必要に応じ、登坂車線を設けるものとする。

2 登坂車線の幅員の基準は、規則で定める。

(縦断曲線)

第22条 車道の縦断勾配が変移する箇所には、縦断曲線を設けるものとする。

2 縦断曲線の半径及び長さの基準は、規則で定める。

(舗装)

第23条 車道、中央帯(分離帯を除く。)、車道に接続する路肩、自転車道等(自転車道又は自転車歩行者道をいう。以下同じ。)及び歩道は、舗装するものとする。ただし、交通量が極めて少ない等特別の理由がある場合においては、この限りでない。

2 車道及び側帯の舗装は、その設計に用いる自動車の輪荷重の基準を49キロニュートンとし、計画交通量、自動車の重量、路床の状態、気象状況等を勘案して、自動車の安全かつ円滑な交通を確保することができるものとして令第23条第2項の国土交通省令で定める基準に適合する構造とするものとする。ただし、自動車の交通量が少ない場合その他の特別の理由がある場合においては、この限りでない。

3 道路(トンネルを除く。)の舗装は、当該道路の存する地域、沿道の土地利用及び交通の状況を勘案して必要がある場合においては、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させ、かつ、道路交通騒音の発生を減少させることができる構造とするものとする。ただし、道路の構造、気象状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。

(横断勾配)

第24条 車道、中央帯(分離帯を除く。)及び車道に接続する路肩には、片勾配を付する場合を除き、規則で定める値を標準として横断勾配を付するものとする。

2 歩道又は自転車道等には、規則で定める値を標準として横断勾配を付するものとする。

3 前条第3項本文に規定する構造の舗装道にあっては、気象状況等を勘案して路面の排水に支障がない場合においては、横断勾配を付さず、又は縮小することができる。

(合成勾配)

第25条 合成勾配(縦断勾配と片勾配又は横断勾配とを合成した勾配をいう。)の基準は、規則で定める。

(排水施設)

第26条 道路には、排水のため必要がある場合においては、側溝、街きよ、集水ますその他の適当な排水施設を設けるものとする。

(平面交差又は接続)

第27条 道路は、駅前広場等特別の箇所を除き、同一箇所において同一平面で5以上交会させてはならない。

2 道路が同一平面で交差し、又は接続する場合においては、必要に応じ、屈折車線、変速車線若しくは交通島を設け、又は隅角部を切り取り、かつ、適当な見通しができる構造とするものとする。

3 屈折車線又は変速車線を設ける場合における当該部分の車線(屈折車線及び変速車線を除く。)の幅員の基準は、規則で定める。

4 屈折車線及び変速車線の幅員の基準は、規則で定める。

5 屈折車線又は変速車線を設ける場合においては、当該道路の設計速度に応じ、適切にすり付けをするものとする。

(立体交差)

第28条 車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。)の数が4以上である普通道路が相互に交差する場合においては、当該交差の方式は、立体交差とするものとする。ただし、交通の状況により不適当なとき又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ないときは、この限りでない。

2 車線(屈折車線及び変速車線を除く。)の数が4以上である小型道路が相互に交差する場合及び普通道路と小型道路が交差する場合においては、当該交差の方式は、立体交差とするものとする。

3 道路を立体交差とする場合においては、必要に応じ、交差する道路を相互に連結する道路(以下「連結路」という。)を設けるものとする。

4 連結路については、第3条から第6条まで、第13条第15条第16条第18条から第20条まで、第22条及び第25条の規定は、適用しない。

(鉄道との平面交差)

第29条 道路が鉄道と同一平面で交差する場合におけるその交差する道路の構造の基準は、規則で定める。

(待避所)

第30条 第3種第5級の道路には、規則で定めるところにより、待避所を設けるものとする。

(交通安全施設)

第31条 交通事故の防止を図るため必要がある場合においては、横断歩道橋等、柵、照明施設、視線誘導標、緊急連絡施設その他これらに類する施設で令第31条の国土交通省令で定めるものを設けるものとする。

(凸部、狭さく部等)

第32条 第4種第4級の道路又は主として近隣に居住する者の利用に供する第3種第5級の道路には、自動車を減速させて歩行者又は自転車の安全な通行を確保する必要がある場合においては、車道及びこれに接続する路肩の路面に凸部を設置し、又は車道に狭さく部若しくは屈曲部を設けるものとする。

(乗合自動車の停留所に設ける交通島)

第33条 自転車道、自転車歩行者道又は歩道に接続しない乗合自動車の停留所には、必要に応じ、交通島を設けるものとする。

(自動車駐車場等)

第34条 安全かつ円滑な交通を確保し、又は公衆の利便に資するため必要がある場合においては、自動車駐車場、自転車駐車場、乗合自動車停車所、非常駐車帯その他これらに類する施設で令第32条の国土交通省令で定めるものを設けるものとする。

(防護施設)

第35条 落石、崩壊等により交通に支障を及ぼし、又は道路の構造に損傷を与えるおそれがある箇所には、柵、擁壁その他の適当な防護施設を設けるものとする。

(トンネル)

第36条 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の計画交通量及びトンネルの長さに応じ、適当な換気施設を設けるものとする。

2 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の設計速度等を勘案して、適当な照明施設を設けるものとする。

3 トンネルにおける車両の火災その他の事故により交通に危険を及ぼすおそれがある場合においては、必要に応じ、通報施設、警報施設、消火施設その他の非常用施設を設けるものとする。

(橋、高架の道路等)

第37条 橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路は、鋼構造、コンクリート構造又はこれらに準じる構造とするものとする。

(附帯工事等の特例)

第38条 道路に関する工事により必要を生じた他の道路に関する工事を施行し、又は道路に関する工事以外の工事により必要を生じた道路に関する工事を施行する場合において、第3条から前条まで(第6条第13条第14条第24条第26条第31条及び第35条を除く。)の規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。

(小区間改築の場合の特例)

第39条 道路の交通に著しい支障がある小区間について応急措置として改築を行う場合(次項に規定する改築を行う場合を除く。)において、これに隣接する他の区間の道路の構造が、第3条第4条第3項から第5項まで、第5条第7条第8条第5項第9条第2項第10条第3項第12条第2項第15条から第22条まで、第23条第3項及び第25条の規定による基準に適合していないためこれらの規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。

2 道路の交通の安全の保持に著しい支障がある小区間について応急措置として改築を行う場合において、当該道路の状況等からみて第3条第4条第3項から第5項まで、第5条第6条第3項第7条第8条第5項第9条第2項第10条第3項第12条第2項第19条第1項第21条第2項第23条第3項次条第1項及び第3項並びに第41条第2項の規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。

(自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路)

第40条 自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路には、その各側に、当該道路の部分として、規則で定める値以上の幅員の側方余裕を確保するための部分を設けるものとする。

2 自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路に路上施設を設ける場合においては、当該自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路の幅員は、令第39条第4項の建築限界を勘案して定めるものとする。

3 前2項に定めるもののほか、自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路の幅員の基準は、規則で定める。

4 自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路の線形、勾配その他の構造は、自転車及び歩行者が安全かつ円滑に通行することができるものでなければならない。

5 自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路については、第3条から第38条まで(自転車歩行者専用道路にあっては、第11条を除く。)及び前条第1項の規定は、適用しない。

(歩行者専用道路)

第41条 歩行者専用道路に路上施設を設ける場合においては、当該歩行者専用道路の幅員は、令第40条第3項の建築限界を勘案して定めるものとする。

2 前項に定めるもののほか、歩行者専用道路の幅員の基準は、規則で定める。

3 歩行者専用道路の線形、勾配その他の構造は、歩行者が安全かつ円滑に通行することができるものでなければならない。

4 歩行者専用道路については、第3条から第10条まで、第12条から第38条まで及び第39条第1項の規定は、適用しない。

(規則への委任)

第42条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年(2013年)4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に新設又は改築の工事中の道路については、この条例の規定に適合しない部分がある場合においては、当該部分に対しては、当該規定は、適用しない。

道路法に基づく市道の構造の基準に関する条例

平成24年12月28日 条例第25号

(平成25年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章
沿革情報
平成24年12月28日 条例第25号