○城陽市地下水採取の適正化に関する条例

平成9年4月1日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、地下水を市民の共有にして有限な資源と認識し、地下水採取の適正化及び地下水の合理的な利用を図ることによって、市民の生活用水としての水道水源を保全し、ひいては市全体の地下水の保全を図るとともに、地下水の枯渇、地盤沈下等を防止し、もって市民福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 揚水施設 動力を用いて地下水を採取するための施設をいう。

(2) 井戸深度 地表面からケーシングの最下部までの深さをいう。

(3) ケーシング 掘削した井戸に設置した鋼管等をいう。

(4) 吐出口径 揚水機の吐出口の口径をいう。

(許可)

第3条 次に掲げる地域(以下「指定地域」という。)内で揚水施設を設置して地下水を採取しようとする者は、その井戸深度、ケーシングの口径及び吐出口径について市長の許可を受けなければならない。ただし、当該揚水施設に係る井戸が、手掘り又は打込みによるものである場合は、この限りでない。

(1) 第1種規制地域 公共用の水道の水源井戸から600メートル以内の地域

(2) 第2種規制地域 第1種規制地域を除く市の全域

(許可の申請)

第4条 前条の許可を受けようとする者は、揚水施設の設置工事に着手する日の30日前までに規則で定める事項を記載した申請書を市長に提出しなければならない。

2 前項の場合において、当該揚水施設の吐出口径が規則で定める大きさ以上であるときは、地下水の利用に関する管理者(以下「地下水利用管理者」という。)を選任し、その者の氏名を市長に届け出なければならない。

(許可の基準)

第5条 市長は、第3条の許可の申請に係る揚水施設の井戸深度、ケーシングの口径及び吐出口径が次に掲げる基準(以下「許可基準」という。)に適合していると認める場合でなければ同条の許可をしてはならない。

区分

井戸深度

ケーシングの口径

吐出口径

第1種規制地域

100m以内

100mm以下

40mm以下

第2種規制地域

300mm以下

100mm以下

2 市長は、前項の規定にかかわらず、第3条の許可の申請に係る揚水施設により採取する地下水が、公共の用に供するものである場合又は用途上特に必要かつ適当であって、他の水源をもって代えることが困難であると認める場合に限り、同条の許可をすることができる。

3 市長は、前項の規定を適用するときは、城陽市地下水保全対策委員会の審議を経なければならない。

(経過措置)

第6条 一の地域が第2種規制地域から第1種規制地域となった際現に当該地域内で許可揚水施設(第3条の許可を受けた揚水施設をいう。以下同じ。)により地下水を採取している者に係る同条の許可は、当該許可揚水施設が前条に規定する第1種規制地域における許可基準に適合しないこととなった場合であってもその効力を失わない。

(変更の許可)

第7条 第3条の許可を受けた者(以下「地下水採取者」という。)は、許可揚水施設について、その井戸深度を深くし、又はケーシングの口径若しくは吐出口径を大きくしようをするときは、市長の許可を受けなければならない。

2 第4条及び第5条の規定は、前項の許可に準用する。

(変更の制限)

第8条 第6条の規定により第3条の許可の効力を失わないこととされた許可揚水施設については、当該許可揚水施設に係る井戸深度を深くし、又はケーシングの口径若しくは吐出口径を大きくすることはできない。

(許可の条件)

第9条 市長は、第3条又は第7条第1項の許可に、地下水の合理的な利用の促進を図るため必要な条件を付すことができる。ただし、その条件は、その地下水採取者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。

(採取量の制限)

第10条 地下水採取者が当該許可揚水施設により採取する地下水の量は、指定地域ごとに規則で定める基準を超えてはならない。

(地下水採取者の責務)

第11条 地下水採取者は、地下水の循環利用、かん養等その合理的な利用に努めなければならない。

(採取量の報告)

第12条 規則で定める大きさ以上の吐出口径の揚水施設を有する地下水採取者は、毎年4月30日までに前年度における地下水の採取量を市長に報告しなければならない。

(氏名等の変更の届出)

第13条 地下水採取者は、その氏名、名称、住所又は地下水利用管理者に変更があったときは、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。

(許可の承継)

第14条 地下水採取者から許可揚水施設を譲り受け、又は借り受けて、これにより地下水を採取する者は、当該許可揚水施設に係る地下水採取者の地位を承継する。

2 地下水採取者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、地下水採取者の地位を承継する。

3 前2項の規定により地下水採取者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。

(許可の失効)

第15条 地下水採取者がその許可揚水施設につき次の各号のいずれかに該当するに至った場合においては、当該許可揚水施設に係る第3条の許可は、その効力を失う。この場合においては、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。

(1) 許可揚水施設により地下水を採取することを廃止したとき。

(2) 前号の場合のほか、許可揚水施設を廃止したとき。

(指導又は勧告)

第16条 市長は、この条例を施行するため必要があると認めるときは、地下水の採取又はその合理的な利用に関して指導又は勧告をすることができる。

(監督処分)

第17条 市長は、偽りその他不正な手段により第3条又は第7条第1項の許可を受けた者に対して、その許可を取り消すことができる。

2 市長は、第3条若しくは第7条第1項の許可を受けず、又は第9条の規定により付した条件に違反して揚水施設を設置し地下水を採取している者に対して、当該揚水施設による地下水の採取を禁止し、若しくは制限し、又は相当の猶予期限をつけて、その違反を是正するため必要な措置をとることを命ずることができる。

(立入検査)

第18条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、揚水施設の設置の場所又は当該揚水施設により地下水を採取する者の事業所若しくは事務所に立ち入り、揚水施設その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(地下水保全対策委員会)

第19条 第5条第3項に規定する同条第2項の許可その他この条例の施行に関し、必要な事項についての審議を行わせるため、城陽市地下水保全対策委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、委員7名以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 市議会議員

(2) 学識経験を有する者

(3) その他市長が適当と認める者

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。

4 委員に欠員が生じたときは、補欠の委員を置くことができる。この場合における委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(氏名の公表)

第21条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者の氏名又は名称を公表することができる。

(1) 第12条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(2) 第17条第2項の規定による命令に違反した者

(罰則)

第22条 第3条の許可を受けないで規制地域内で揚水施設を設置し地下水を採取した者は、100,000円以下の罰金に処する。

第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、30,000円以下の罰金に処する。

(1) 第7条第1項の許可を受けないで許可揚水施設の井戸深度を深くし、又はケーシングの口径若しくは吐出口径を大きくし地下水を採取した者

(2) 第18条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(両罰規定)

第24条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成9年(1997年)5月1日から施行する。ただし、第12条の規定は、平成10年(1998年)4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に指定地域内の揚水施設により地下水を採取している者(揚水施設の建設中の者を含む。)は、その揚水施設について、その井戸深度、ケーシングの口径及び吐出口径(以下「既存規模」という。)により、第3条の許可を受けたものとみなす。

3 前項の規定により、第3条の許可を受けたものとみなされた者は、この条例の施行日から起算して3月以内に別に定める届出書を市長に提出しなければならない。

4 一の地域内にある揚水施設に係る附則第2項の許可は、当該地域の指定地域の区分の変更があった場合であってもその効力を失わない。

5 附則第2項の規定により、第3条の許可を受けたものとみなされた者が、当該許可に係る揚水施設(当該揚水施設が第1種規制地域内にあり、その既存規模が第5条に規定する第2種規制地域における許可基準を超えているものに限る。)を変更するときは、第5条に規定する第2種規制地域における許可基準を超えることはできない。

6 附則第2項の規定により、第3条の許可を受けたものとみなされた者は、当該許可に係る揚水施設が次に掲げるものである場合は、その井戸深度を深くし、又はケーシングの口径若しくは吐出口径を大きくする変更をすることはできない。

(1) 第1種規制地域内にあって、既存規模が第5条に規定する第1種規制地域における許可基準を超え、かつ、第2種規制地域における許可基準以下であるもの

(2) 第2種規制地域内にあって、既存規模が第5条に規定する第2種規制地域における許可基準を超えているもの

7 附則第2項の規定により、第3条の許可を受けたものとみなされた者については、第10条の規定は適用しない。

城陽市地下水採取の適正化に関する条例

平成9年4月1日 条例第5号

(平成9年4月1日施行)